気まま生活
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
よく分からなくなる
ブカレストで地下鉄に乗っていると、物乞いをする子どもをよく見ます。よく見るのが、乳飲み子の弟・妹を布で体にくくりつけて各車両を回る6~10歳くらいの子ども。もちろん、小さい子どもを抱いた母親もよく見かけます。様子を見ていると、1車両で数人が1レイ(約30セント、約45円)を渡しているようです。1~2時間物乞いをすると結構な額になるんじゃないでしょうか。10ユーロ(34レイ、1,500円くらい)手に入れることも難しくはなさそうな感じです。

ルーマニアの平均月収はさほど高くなく、そこそこ大きな会社の事務職でも手取りで月400ドルくらいだったりするそうで、そうすると1日当たり20ドル(約15ユーロ、約2,400円)くらいですよね。そう考えると、ああやって物乞いをしている人たちは結構な額を手にしているのかも、と思ってもしまうのです。

クリスマス直前、ちょっと遠くまで買い物に出かけた帰りの地下鉄で、まずは生後半年くらいの弟を体にくくりつけた6~7歳くらいの女の子が物乞いに来ました。弟は眠いけど眠れないのでしょうか、うつろな目をしています。女の子は手馴れた様子で床に弟の哺乳瓶を置いて何やら話を始めました。「食べ物がない」と言っているところだけは理解できましたが、おそらく窮状を訴えていたのでしょう。その後立ち上がり、車内を歩いて何人かからお金を手にしていました。私の車両は次の車両とドアでつながっていなかったので、次の駅に着くとその子たちは別の車両へ。そして、また別の男の子が乗り込んできました。

この男の子は15歳くらいでしょうか。ダンボールに何か書いたものを手にしています。もう片方の手で2歳くらいの妹の手を引いて。妹は眠くて仕方がないのでしょう、目を開けるのがやっと、足取りもおぼつきません。車両の途中で男の子が立ち止まると、女の子は「抱っこして~」とせがむように手をお兄ちゃんに伸ばしましたが、抱き上げてもらえないことは承知しているのでしょう。すぐに諦めたように手を下ろし、また歩き出したお兄ちゃんに引きずられるように車両を横切っていきます。

何人かがお金を手渡し、お兄ちゃんと妹は車両の一番端へ。次の車両にはつながっていないので、お兄ちゃんは壁に背中をもたれかけて一休み。妹も同じく壁に背中をつけたとたん、がくっと眠り込んでしまいました。よっぽど疲れていたんでしょう。しばらくすると地下鉄は大きく揺れて、その揺れで女の子が目を覚ましました。すると、目の前には大きくサンタクロースが描かれた紙袋。隣に立っていたおばさんの買い物袋です。女の子の顔がぱっと明るくなり、サンタクロースを指差して何やらつぶやいています。

それを見たとたん、自分の中で、どうしたらいいのか分からない感情がこみ上げてきて、どうしようもなくなってしまいました。きっとこの女の子はまだ幼くて、自分が置かれている立場なんて理解していないでしょう。あと何日かしてクリスマスが来れば、山積みになったプレゼントを手にする子どもがいることさえも知らないのかもしれません。

でも、私に何ができるのか。ここで1レイを渡しても、この子たちは明日も同じように物乞いをするでしょう。じゃ、10レイ渡せばよい?100レイ渡せばよい?それじゃあ、他の車両を同じように回っている子どもたちにはどうしたらいいの??

ルーマニアには、住むところのないストリートチルドレンもまだまだたくさんいると聞きます。そういった子どもたちの中には、シンナー中毒に陥っている子どもも多いのだとか。施設に収容しても、彼らにはその生活が窮屈で、逃げ出してしまう子どもも多いのだそうです。そんな彼らがどうやってシンナーを手に入れるのか。物乞いをして得たお金がシンナーに化けるのだと聞いて驚きました。お金を手渡した人は良かれと思って手渡したのでしょうが、実際にはそのお金が彼らの体を蝕んでいる。これも聞いたときもやりきれない気持ちになりました。

路上でも、自動車を相手に物乞いをしている人を見かけます。先日は、前の自動車の運転手がパイかタルトが入っていると思われる紙箱を差し出したのですが、物乞いをしていた青年は受け取りませんでした。私たちの車のところにも来ましたが、焦点の合わないようなぼーっとした目つきをしていて、彼もまた、得たお金をシンナー等につぎ込んでいるのかもしれません。

電車の中や街中で、あどけない顔をした子どもたちが物乞いをしてくるのを見ると、言いようのない気持ちになります。何か私にもできるのならしたいのだけど、今日のパンのためじゃなくて、この子たちの将来のために何かできないのかな、と考えてしまうのです。

「そんな時代もあったね」と、過去の話になる日が早く来るといいのですが。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
食べ物しかあげない主義
ルーマニアもすごいけど、インドも物乞いがすごくて、私もいろいろ考えた挙句、私は食べ物しかあげない主義になったよ。お金はシンナーとか他のものに使っちゃうことが多いしね。本当はRieさんのというとおり、その日のパンじゃなくて将来のために何かできたらいいけれど、まあ貧乏旅行者(笑)が簡単にできるのは前者くらいかなあと。
2006/12/27(水) 19:53:30 | URL | Wakabun #-[ 編集]
私もあげません
私のアパートの階段にも大人ですが暖と寝床を求めてやってきます。時々水をくれ!とドアをノックします。相方のロムンカにやるな!と言います。近くのピアッツァに水はあります。物をあげる事が優しさとは思いません。自分で考える事をしなくなりますから。
2006/12/27(水) 20:43:30 | URL | JOHNEY #6H.FaEww[ 編集]
Wakabunさん
インドもかぁ。うちのおっさんも、渡すなら食べ物に限ると言っていたなぁ。お金は、ねぇ。彼らの実態が分からないだけに、ホント、どうしたらいいのかよく分からないのよね。実は今まで、物乞いに何かを渡した経験はないのです。ひたすら首を横に振るだけで。今までは旅行地だったから一時のことだったんだけど、そういう土地に住むと、やっぱり考えさせられちゃうわ~。でもやっぱり、よく分からない。
2006/12/28(木) 16:02:13 | URL | Rie #3jISyIMY[ 編集]
JOHNEYさん
アパートの階段にですか。そこに寝泊りする、ってことですよね。アメリカなんかでは、建物の入り口にホームレスが寝泊りしてて、夜なんか気づかずにそばを通ってものすごく驚いたりしました。

地下鉄の中で物乞いをしている子供たちも、身なりはそこそこきちんとしていたりして、果たしてどういう状況下に置かれているのか不思議になります。親に「ひと稼ぎしておいで」って言われてやってるんじゃないかなぁ、とか勘ぐってしまったり。

自分で考える事をしなくなる、確かにそうですよね。日本にもホームレスの人はたくさんいますが、彼らが物乞いをしている姿は見たことないですよね。文化の違いなんですかね。
2006/12/28(木) 16:05:56 | URL | Rie #3jISyIMY[ 編集]
管理人さん
基本的にルーマニア人はプロセスを考える事が苦手なんですよ。共産主義が長かったのとラテンの血かな?出たとこ勝負って感じでしょう?ギャンブラーですね。人生そのものもキャンブル的発想ですよ。20年位したら変わるかもしれませんね?
2006/12/28(木) 16:48:20 | URL | JOHNEY #6H.FaEww[ 編集]
JOHNEYさん
出たとこ勝負!なるほど。まだこちらに来て日は浅いですが、なんか、分かるような気がします。

そういえば、ルーマニア人と年金について話をしたら、誰も年金になんて興味を持っておらずびっくりしました。
2006/12/29(金) 16:16:47 | URL | Rie #3jISyIMY[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://mitomo.blog19.fc2.com/tb.php/208-fd30b2d0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。